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矢野 康英; 丹野 敬嗣; 大塚 智史; 皆藤 威二; 鵜飼 重治*
Materials Transactions, 62(8), p.1239 - 1246, 2021/08
被引用回数:5 パーセンタイル:39.91(Materials Science, Multidisciplinary)FeCrAl-ODS鋼被覆管を製作し、その被覆管の熱時効の影響を調査するために、450C,5000時間と15000時間の熱時効後に、硬さ試験,リング引張試験,TEM観察を実施した。全てのFeCrAl鋼被覆管で熱時効硬化が確認され、延性低下を伴う顕著な強度上昇も生じた。熱時効硬化挙動は(Ti, Al)リッチ相('相)析出とAl7wt%未満の場合は'相析出も起因していると考えられる。同様の組成をもつFeCrAl-ODS鋼を比較した場合、再結晶材と未再結晶材で熱時効硬化は生じるが、後者は延性低下を伴わないことが明らかになった。この挙動の差は、結晶粒界,転位密度,試験片作製方向の影響が起因していると考えられる。本研究は、文部科学省の原子力システム研究開発事業による委託業務として、北海道大学が実施した平成2528年度「事故時高温条件での燃料健全性確保のためのODSフェライト鋼燃料被覆管の研究開発」の中で北海道大学からの委託により原子力機構が実施した研究成果である。
鈴土 知明; 永井 康介*; Alfredo, C.*
no journal, ,
Fe-Cr合金は熱時効によりスピノーダル分解を起こし、材料の硬化や延性の低下などを招くことがよく知られている。本研究はこの現象の原子論的モデルリングの最初の試みである。我々はまずモンテカルロ法を用いてスピノーダル分解した微細構造を再現し、その構造中の刃状転位の運動を分子動力学で実現した。スピノーダル分解進行の様々な段階で、材料硬化の指標である臨界応力を測定し、実験観察で得られている相分離パラメータと硬化の線形関係を再現することに成功した。